住む

「ミッションがあるから、
今はここに定住」
走り続ける女性の住み処。

2021.3.12

「ミッションがあるから、今はここに定住」走り続ける女性の住み処。

お話をうかがったのは、海外と日本を飛び回り、野望に向かって地道な努力を続けるパワフルな女性・大西雄季さん。
「コーヒー農家を豊かに」「コーヒー豆と消費者をシンプルに繋ぎたい」とまっすぐ語る大西さんは、住まいや街への価値観もストレートそのもの。「雑味がない」という表現がぴったりだ。

「ミッションがあるから、今はここに定住」走り続ける女性の住み処。

「今住むべき場所」を選びとる決断。

(ReHOPE)海外生活が長いとお聞きしましたが、今はいかがですか?

(大西さん)仕事の関係で海外と日本を行き来していましたが、コロナの影響で日本に腰を据えるようになりました。現場に行けないなら日本でできることをするしかないと決心して。
今メインで仕事をしているのはバリ島です。初めて訪れたのは、町屋の再生と民泊事業に携わっていた頃、建材や古材を買い付けに行った時のこと。そこでバリ島に「グリーンスクール」という学校ができることを知ったんです。
グリーンスクールは「持続的な世界をつくる学習者のコミュニティ」という理念を掲げていて、今では世界一エコな学校として世界的に知られています。当時はまだ学校自体完成していなかったのですが、ぜひ自分の子供を通わせたい!と思って。ちょうどバリのインターネット環境も良くなってきた頃だったので、海外でもある程度仕事ができるようになってきたんだと判断し、思い切って移住しました

(ReHOPE)学校が完成する前に、すごい決断力ですね!

(大西さん)仕事が場所を選ばないなら、そこにしかない学校を優先するしかないと。日本の拠点を今の家に定めたのも、子供の学年が上がって日本の学校に戻ると決めた時です

「ミッションがあるから、今はここに定住」走り続ける女性の住み処。

「仮住まいの民泊」から「日本の拠点」へリノベーション。

仕事なら移動できる、学校は動かせない。こともなげに笑う様子は圧倒的にポジティブ。
続いて日本の拠点となった現在のお住まいについて聞いた。

(ReHOPE)現在のお宅は住み心地はいかがですか?

(大西さん)「ここも最初は定住する予定ではなくて、海外にいる時は民泊として貸し出していたんです。旅行者に人気が出るような、ちょっと非日常的なデザインにしてもらって。ですから、いざ自分たち家族で住むとなるとやはり修正が必要になりました。家族分の部屋数が足りないとか、そういう現実的な事情を汲んで手直ししたのが今の住まいですね。
とはいえ、自分たちの希望は遠慮せず自由に言いたいじゃないですか。そんな工務店ってなかなかないし、こだわりに添ってくれる会社を探しました。部屋だけでなく、圧倒的に収納が足りなかったので壁一面を棚にしました。『見せる収納』にしたので、適当でも片付いている感じがしていいですよ(笑)」

(ReHOPE)片付けがラクなのはいいですね! 周辺環境はいかがですか?

(大西さん)「靱公園は子供たちが小さい頃、よく遊ばせに行きましたね。西区にはわりと公園がたくさんあると思うんですが、どうしても小さな児童公園のようなところが多いんですね。靱公園は自然に限りなく近くて、土を踏んで歩ける感覚がいいですね。子供は大きくなりましたが、私自身散策が好きなので、公園の近くを楽しんで巡っています」

「ミッションがあるから、今はここに定住」走り続ける女性の住み処。

伝統を支え、人を繋げる場所に惹かれて。

現在、バリ島でコーヒー農園を経営しながら、コーヒー豆の日本への流通経路も独自で切り拓くなど精力的に活動している大西さん。ご自身はどのようなお店に通われているのだろうか。

(ReHOPE)この辺りでよく行くお店はありますか?

(大西さん)好きなお店もたくさんあるので数を絞るのは難しいんですが……例えば「コトモノミチ」さん。日本各地の伝統工芸をデザイナーさんがアレンジして商品化したり、ワークショップを開いたりされているお店です。以前観光業に就いていたこともあってか、日本の伝統文化を見るのが好きなんです。伝統へのアプローチが面白いお店にひかれるのかもしれません。「餅匠しづく」さんもそうですね。こちらはお餅のお店なんですが、見せ方がとても新鮮。お持たせにするととっても喜ばれますよ。靱公園近くなら「CHASHITSU」さん。お店でいただける「おはぎバーガー」なんて面白い創作菓子もあるんですが、2F・3FはNPO法人としてハローワークの機能をしているそうで、人との繋がりを生んでいる場所なんですよね。人を支えるというミッションが素晴らしいと思います」

「ミッションがあるから、今はここに定住」走り続ける女性の住み処。

すべては作り手を支えるミッションのために。

挙がるお店はどこも「伝統」や「ものづくり」を大切にし「文化や人を支える」という共通項がある。バリ島で地元の農家の方とともに奮闘する、大西さん自身の姿が重なる。

(ReHOPE)どのお店も、大西さんの今のお仕事に通じるように感じます。

(大西さん)そうかもしれませんね。民泊事業が供給過多になり始めた頃と、コーヒー豆の輸出が軌道に乗り始めた頃とが重なったので、完全にコーヒーの仕事にシフトチェンジしました。バリ島のコーヒー農園では『作り手の人たちが良い豆を作れば相応のリターンが発生する』という、シンプルだけど理想的な状態にしたいんです。極限まで仲介を省いて、高品質な豆を消費者に届けるのが私のミッション。だから、品質を維持するためにすごく細かい技術指導をするし、設備の提供もします。農家さんには『私の言う通りにしてくれたら、必ず高値で売れるようにするからね』と約束しているんです。その責任があるし、いい物を作ってくれる人を大事にしたい。
今日本でできることを、農家さんのためにも必ずやり遂げます。

物件情報 所在地  :大阪市西区南堀江
種別   :中古マンション
面積   :59.40㎡(17.97坪)
築年数  :1978年7月
かかった日数 2ヵ月
お金のこと 非公開